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Vol.7 「カラー・ユニバーサル・デザイン」の時代(後編) 2006年07月24日 16:48

見え方の違い
CUDに配慮したデザイン
今回は前回に引き続きカラー・ユニバーサル・デザインのお話です。CUDを実際の印刷物に反映する際にどのようなテクニックを使えばいいのかという実践編です。テクニック、などと大上段に構えましたが実はそれほど難しいことではありません。特に大切と思われるポイントは、主に4つです。

1つめは「色と色をとなり合わせにしない」こと。

たとえば赤色のベタに緑色の文字は
一見反対色で目立つように思いますが
色弱者にとっては区別のつきにくい色なので
バックに文字が埋もれてしまいます。
じゃあ赤バックに黄色ならいいのか?という
質問もあるかと思いますが、答は×。
色弱者のタイプによっては、この2色が見分けにくいこともあるのです。

バックが色ベタの場合は、文字を白抜きにするか、
文字の周りを白フチでかこみましょう。


2つめは、「色の違いよりも明度にこだわる」こと。

明度、というのは色の明るさ。
色弱者は明度の違いは識別できるので
同じくらいの明るさで「緑色」と「黄緑色」を配色するより
同じ緑色で「濃い緑」と「薄い緑」を配色する方が見分けやすいのです。
が、と~っても微妙な明暗の違い、では
色弱者のみならず見にくいのでご注意を。

3つめは「色だけでなく柄を併用する」こと。

これは特にグラフなどデータ表現の際に注意します。
折れ線グラフの「線」をいくつか対比させる時、
色ではなく実線、波線、点線など変化をつけます。
また積み上げ棒グラフの場合にも色ベタでなく
斜線やドットなど柄で区別できるように。
凡例による区別でなく、何を示しているかを図中に入れることも大切です。

4つめは「文字を強調するときも色に頼らない」こと。

強調したい言葉があるなら
色でなく文字のポイントを大きくしたり、書体を変えたり、
もしくは下線や傍点、囲み枠を使います。

どうですか?言うは易し、ですが
実際のデザインにこれらを全て反映させるとなれば
なかなか悩むところですね。
「これは果たして誰もが理解できるのか」
そう思った時には、
一度、その印刷物をモノクロコピーしてみてください。
モノクロにすると一目瞭然、自分がいかに色に頼っていたかがわかります。
また最近ではデータを「色弱者の見え方」にシュミレーションしてくれる
ソフトもありますので、より厳密さを望むなら利用されても。

CUDのコンセプトはあくまでも
すべての人に情報を正確に伝える
「わかりやすいデザイン」をつくることです。

ですから公共性の高い印刷物に最もふさわしいといえるでしょう。
役所、病院、美術館、博物館、学校関係、また各種の交通機関など、
社会がバリアフリー化するほどに、必要とされるシーンも多くなるはず。

あなたのデザインは、美しいだけでなく「優しい」デザインですか?